渋滞中の車両間のバイクとの事故
渋滞中の車両間から出てくるバイクと車との事故の過失割合
交差点などで、渋滞する車両を追い越して直進するバイクと、右折する車が衝突する場合があります。渋滞する車を追い越してくるバイクを、交差点を右折中の車から発見するのは容易ではなく、右折する車側が、渋滞する車両の影からバイクの飛び出しがあると予測していないと、このタイプの交通事故を起こし易くなります。
なお、信号機のない交差点では、右折する車はもちろんですが、交差道路を直進する車も、車の陰から飛び出すバイクの発見が遅れて、このタイプの事故を起こすことがあります。
このタイプの事故の基本となる過失割合を考える場合には、車と接触するバイクが走行していた道路の状況に応じて、大きく分けて2種類のケースが想定されています。
まず、第1の場合は、直線道路側に2輪車専用道路が設けられていたり、あるいは、バイクが走行していた直線道路の左側の部分が広い場合の事故です。このような道路状況での、渋滞車をすり抜ける直進バイクと、右折する車や交差道路を直進する車との事故の過失割合は、バイク20%車80%となります。
第2の場合は、バイクが走行していた直線道路の左側の部分が、バイクがようやく走行できる程度に狭い道路での事故の場合です。このような道路状況での、渋滞車をすり抜ける直進バイクと、右折する車や交差道路を直進する車との事故の過失割合は、バイク30%車70%となります。
修正要素による修正について
なお、このタイプの事故に関しても、当然のことながら、修正要素による過失割合の修正が行われます。この修正要素のうち、代表的なのもが、交差点ではない場所での事故の場合です。
このタイプの事故は、交差点で起こる場合がほとんどです。しかし、交差点でない場所で発生する場合もあります。たとえば、片側2車線以上の幹線道路などで、駐車場などへ右折して入ろうとする場合、対向車線が渋滞していれば、その影を走行するバイクの発見は困難となります。
そこで、渋滞する車両の隙間を急いで右折する間に、車の陰から飛び出してくるバイクをはねる場合があります。この事故の場合には、交差点でもない場所で右折した車の責任がより重く評価されます。よって、車の過失割合が10%程度高く修正されます。