信号機がある交差点での歩行者との事故の過失割合①

信号機のある交差点で、横断歩道を歩行中の歩行者と車の事故の過失割合

信号機がある交差点で、歩行者が横断歩道を歩行中に車と衝突した場合の、被害者に発生した損害額を算定するにあたり、考慮すべき過失割合について考えてみます。

このようなケースでは、歩行者が横断を開始した時点での信号の状態(赤・青・黄)と、車が横断歩道場を通過した時または交差点に進入した時の信号の状態により、基本的な過失割合が決まってきます。

歩行者と直進車が交通事故を起こした場合の過失割合

たとえば、歩行者が青信号で横断を開始し、車が赤信号で横断歩道を通過した状態で、両者が衝突して事故になった場合、歩行者の過失割合は0%です。車が信号無視をしていますので、当然にこの結果になります。

次に、歩行者が黄信号で横断を開始し、車が赤信号で横断歩道を通過した状態で、両者が衝突した場合の歩行者の過失割合は10%です。歩行者が赤信号で横断を開始し、車が青信号で横断歩道を通過した状態で事故を起こした場合は、歩行者の過失割合は70%です。

同じく歩行者が赤信号で横断を開始し、自動車が黄信号で交差点を通過した状態で事故が発生した場合、歩行者の過失割合は50%です。このように、歩行者が信号無視をして交通事故に遭った場合には、歩行者の過失割合は50%~70%と高い水準になります。

歩行者と右折車または左折車と交通事故を起こした場合の過失割合

次に、歩行者が横断歩道を横断中、右折してきたまたは左折してきた車にはねられるという事故はよく起こります。この場合にも、事故の状況に応じて基本的な過失割合が定められています。

まず、歩行者が青信号で横断を開始し、車が赤信号で交差点に進入した後右左折して、歩行者と車が衝突した場合、歩行者の過失割合は0%です。100%車のほうが責任を負います。次に、歩行者が黄信号で横断を開始し、車が青信号で交差点に進入し右左折をして事故を起こした場合、歩行者の過失割合は30%です。

同じく歩行者が黄信号で横断を開始し、車が黄信号で交差点に進入し右左折をして事故を起こした場合、歩行者の過失割合は20%です。最後に、歩行者が赤信号で横断を開始し、車が赤信号で交差点に侵入し右左折をして事故を起こした場合、歩行者の過失割合は20%です。

信号残りがある場合の事故の過失割合

また、歩行者が青信号で横断を開始したが、途中で赤信号に変わることもよくありますが、この状態(信号残りといいます。)で交通事故を起こした場合についても、赤信号に変わったのはどの場面についてかということを基準に、各ケースについて、歩行者の過失割合が定められています。

それは、たとえば、安全地帯の通過直後に赤信号に変わり、そのまま横断を続けて事故にあった場合、歩行者の過失割合は30%です。赤信号に変わった時が、だいたい横断歩道の中央部分まで歩行者がきた状態であり、その状態で横断中に事故にあった場合、歩行者の過失割合は20%です。

同じ状況で、信号が変わったのが横断終了直前であり、その状態で事故に巻き込まれた場合の歩行者の過失割合は10%です。この場合が、歩行者の過失割合が一番低くなります。

信号の表示で決まる過失割合

このように、信号機のある交差点で、歩行者が横断歩道を横断中に、車と衝突して事故を起こした場合の過失割合は、主として、歩行者が横断を開始した時点での信号機の色と、車が横断歩道上を通過した時または交差点に進入した時の信号機の色で決まります。

修正要素について

なお、過失割合は、修正要素というものがあります。過失割合の基本的な水準は、歩行者や車が信号に従ったかどうかということで決まります。しかし、実際の交通事故は、歩行者や車が信号にしたがって通行したかどうかということの他にも、さまざまな要素が働きます。

たとえば、事故が起きたのは昼か夜かとか、事故が起きた道路は幹線道路か生活道路か、歩行者や車の運転手は老人かそれとも若者か、車の運転手には著しい過失や重過失があったかどうか、などです。これらは、過失割合を高める効果のある事項を加算要素、過失割合を減ずる効果を持つものを減算要素といいます。

これらの修正要素は、信号に従ったか否かで定まる基本的な過失割合を、加算の場合も減算の場合も5%~20%の範囲内で変更する効力を持ちます。したがって、最終的な過失割合は、基本的な過失割合に修正要素による加算または減算を行い、最終的に定まります。

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