民事訴訟による交通事故紛争の解決


民事訴訟による解決の特徴

示談交渉がまとまらず、また、調停による解決もできなかった場合には、最後は民事訴訟によって解決します。いわゆる「裁判」による解決です。もちろん、裁判に至るまでに、必ず示談交渉や調停を行わなくてはならないということはありません。いきなり裁判を起こしても問題はありません。

裁判になると、当事者の合意の有無にかかわらず、裁判官が一方的に判決を下し、当事者は強制的にその判決に従わなくてはなりません。その意味では必ず解決します。もちろん、確定判決には強制執行力が付与されています。裁判所の判決に従わない場合には、強制競売などの手続きが予定されています。

しかし、当事者間の紛争を解決する効力は絶大ですが、裁判になると、解決に至るまでは、長い時間と多くの費用と多大な労力が必要となります。ですから、一般的には、示談や調停で解決できなかった場合に、最後の手段として利用される方法です。

民事訴訟の途中で和解する場合について

また、交通事故の賠償金に関する裁判に関しては、実際に裁判になった場合でも、最後の判決まで進むことはあまりありません。事件の多くは、裁判の途中で和解(示談)により解決してしまいます。

なお、裁判の途中で和解した場合には、和解内容をもとに和解調書が作成されます。この和解調書にも、当事者が和解調書の内容に従わない場合には、強制執行の手続きを受けるという強制力が付与されています。

民事訴訟の手続きについて

裁判を起こす場合には、裁判所に訴状を提出します。裁判を起こす裁判所は、被害者の住所を管轄する裁判所、事件の発生場所を管轄する裁判所、加害者の住所を管轄する裁判所、いずれの裁判所に対しても訴えを起こすことができます。

また、加害者に要求する事故の賠償金の金額が140万円以下の場合には、簡易裁判所に対して訴えを起こします。一方、140万円を超える賠償金額を求める訴えを起こす場合には、地方裁判所に対して行います。

裁判を起こすための費用は、手数料に関しては、たとえば、加害者に求める賠償金の金額が100万円ならば10,000円、1,000万円ならば50,000円です。訴状に印紙を貼付して納付します。この他にも、裁判所と当事者間の書類のやり取りに必要な郵便切手を納付する必要があります。なお、この切手については各裁判所で異なりますので、あらかじめ問い合わせをしておきます。

なお、裁判は本人が行うことも可能です。しかし、相手側は弁護士か交通事故の賠償問題に明るい保険会社の事故担当者です。ですから、本人で訴訟を行うと勝てる訴訟も負けてしまう場合があります。そのために、たいていは弁護士に依頼して訴訟を起こします。この場合には、別途、弁護士費用が必要になります。

裁判を起こす前に確認しておくべき事項

また、裁判を起こす前に確認しておく事項があります。それは、加害者に資力があるかどうかです。加害者が提示する賠償金額に不満があり、被害者が同意しないために示談交渉がまとまらない場合があります。この場合には、裁判に進むことが考えられます。

しかし、加害者側に十分な資力がない場合には、裁判を起こして勝訴しても、最終的に賠償金の支払いをしてもらえないことがあります。加害者が支払わない場合には、強制競売手続きが行われますが、加害者に大きな財産がない場合は、強制競売をしても代金がほとんど得られず、被害者は満足な支払いを受けることができません。

ですから、加害者に資力がない場合には、訴訟に持ち込むよりも、金額に不満はあるけれども加害者が提示した賠償金額に同意して、示談交渉において解決しておいた方が良い場合もあります。このように、訴訟を起こす前には、加害者の資力について確認しておく必要があります。

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