個人事業主の休業損害は前年の年収から算出する

個人事業主の休業損害の算定方法について

交通事故で負傷したのが個人事業主の場合で、その個人事業主がその負傷のため仕事を休んだ場合、その休んだ期間、一定の方法で算出した休業損害について、加害者または保険会社にその賠償を請求できます。

この個人事業主の休業損害の算定方法は、次のとおりです。まず、事故が発生した日が属する年の前年の、被害者である個人事業主の所得を調べます。この所得を365で割ると、この個人事業主の1日あたりの所得額がでます。そして、この所得額に事故により休業した期間を乗じれば、休業損害の金額が算出されます。

具体的には、被害者である個人事業主の前年分の確定申告の際の申告所得額を365で割って求めます。仮に、被害者の前年の申告所得額が500万円、仕事を休んだ日数が17日間であったとすると、休業損害額は、5,000,000円÷365×17日=232,877円となります。

なお、実際の前年の所得が、確定申告の際の申告所得より多い場合には、領収書や帳簿、源泉徴収票などにより、実際の所得が申告所得を上回ることを確実に証明できれば、実際の所得を用いて、休業損害を算出することもできます。

また、個人事業主の場合、年によって所得が大きく変動することもあります。ですから、事故の前年の所得が極端に多いまたに少ないときには、その所得を用いて休業損害を計算すると、適切な水準にならないことがあります。その場合には、前年を含む過去数年間の所得額の平均をとって所得を基礎に、休業損害を算出します。

さらに、個人事業主の前年の所得が不明または証明できないこともあります。その場合には、厚生労働省賃金調査部が編集する賃金センサスから、1日当たりの所得額を計算し、これに休業日数を乗じて休業損害額を算出します。

個人事業主の会社に生じた休業損害の賠償について

ここまでは、交通事故が原因で個人事業主が休業した場合、事業主本人の所得減に関する休業損害について説明してきました。しかし、個人事業主が、交通事故で休業したために、この個人事業主が経営する会社全体が休業することもあります。

その場合でも、会社は、休業期間中、従業員の給料(または休業手当)、事務所の賃料、各種保険料等の固定的支出を支払わなくてはなりません。これらの支払は、会社の収入に結び付つかない、ただ出ていくだけのお金になります。交通事故損害の賠償に関しては、このような会社の休業期間中の固定的支出も補償の対象になります。

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