死亡事故での示談交渉の進め方

<死亡事故の示談交渉の開始時期について/h3>

交通事故の被害者が死亡した場合の示談交渉の開始時期は、被害者の葬儀が終わって四十九日が経過した時以降が、当事者が落ち着きを取り戻す頃なので適切な時期と言えましょう。

ところで、死亡事故の示談交渉の場合には被害者本人がいないわけですから、誰が被害者の代わりに交渉担当者となるかということが問題となります。ところで、仮に被害者に遺言があったとしても、死亡事故の損賠賠償金には、この遺言は適用されません。

というのは、被害者が遺言を作成した時点では、事故の損害賠償金は存在しませんでしたから、遺言の効力は損害賠償金には及ばないと考えられるからです。よって、被害者が全財産を配偶者に相続させるという遺言を残しても、損賠賠償請求権は法定相続分とおり相続されます。

死亡事故の被害者側の示談担当者はだれになるのか

法定相続分とは、被相続人に配偶者と子がある場合には配偶者1/2と子1/2(子が複数ある場合には均等割)、被相続人に子がない場合には配偶者2/3と親1/3(親が複数ある場合には均等割)、被相続人に親と子がない場合には、配偶者3/4兄弟姉妹1/4(兄弟姉妹が複数ある場合には均等割)です。

ですから、被害者の示談交渉の担当者は、原則として、こられの相続人の中から代表者を選んで決めます。代表者の選び方としては、口達者な者や押しの強い人が適任です。ただし、後のトラブルを避けるために、示談金の入金は相続人全員が共同で開設した口座に入金します。

こうしておけば、相続人全員の判子がないとお金をおろせないため、安心です。代表者の口座に示談金の全額を入金すると、代表者が金銭を独り占めしたりして、あとから金銭をめぐるトラブルが起こりやすくなります。

加害者を嫌って示談交渉を開始しないでいると

なお、加害者の顔をみたくないといって、なかなか示談交渉を開始しない場合があります。しかし、事故直後は、加害者は刑事裁判に係属中であることが多く、刑事裁判では判決前に示談がまとまっていると判決が軽くなることが多いので、加害者が早く示談をまとめるように焦っている場合が多いです。

そのために、有利な条件で示談交渉を進めることができる場合が多いのですが、その機会を逃します。また、あまり示談交渉を拒否していると、損害賠償請求権の時効期間は3年ですから、消滅時効に引っかかる可能性があります。

仮に消滅時効に引っかからなくても、示談開始が遅れて示談交渉中に事故から3年を経過する場合には、消滅時効の完成を防ぐために、途中で裁判に移行しなくてはならない事態が起こります。裁判になると費用や時間が相当に必要になりますから、大変です。

最近では、示談交渉には加害者の代わりに保険会社の交渉担当者が来ますから、抵抗感は少ないはずです。葬式に加害者が来ないからなどという感情的な問題は別にして、被害者の四十九日が終わったら、早めに示談交渉を開始すべきです。

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