免許の停止処分や取消処分に対して不服があれば申し立てができる


仮停止処分の場合の「弁明の機会の付与」について

免許の仮停止処分とは、以下のような場合に、交通事故の起きた場所を管轄する警察署長が処分の対象となる者から、一定の期間運転免許を停止するというものです。交通事故を起こした日から最長で30日間、免許の効力を停止することができます。

  • 交通事故で人を死傷させた上、救護義務に違反(当て逃げ)した場合
  • 飲酒や麻薬などの影響で、正常な状態で自動車の運転ができない状態で運転し、交通事故を起こした上、人を死傷させた場合
  • 過労、病気、薬物、酒気帯び等の影響により、正常な運転ができない状態で自動車を運転し、交通事故を起こした上、人を死亡させた場合

なお、警察署長がこの処分を行う場合には、処分と対象となるものに対して、弁明の機会を与えなければなりません。弁明とは、処分を受ける者が処分を行う行政庁に対して意見を述べることです。

ですから、この仮停止処分に不服がある場合には、その意見を記載した弁明書を提出して、この処分に対して異議を述べることができます。

この弁明の機会の付与は、仮停止の処分が行われた日から5日以内に行わなくてはならないと規定されております。この弁明により、処分対象者の主張が認められれば、処分が取り消される場合もあります。

免許停止には「意見聴取手続き」

次のような理由により、免許取り消し、または90日以上の免許の停止をしようとする場合には、処分庁である公安委員会は、処分対象者から意見の聴取を行わなければならないと規定されています。

  • 交通違反点数が一定水準を超えた
  • 交通事故を起こし人を死傷させた上救護義務違反をした
  • 飲酒・麻薬により交通事故を起こし人を死傷させた
  • 過労、酒気帯び、薬物、病気の影響を受ける状態で運転し、人を死亡させた
  • 危険運転致死傷罪などを犯した
  • 自動車を利用して故意に人を死傷させた、または建造物を損壊した

この意見聴取は、まず、公安委員会が、処分対象者に、処分を行う理由、意見聴取の期日、場所を記載した通知文を、送付します。処分対象者は、その聴取の期日に出頭し、処分に対し意見を述べ、また、有利な証拠を提出できます。なお、意見を述べるのは本人でも代理人でも構いません。

ですから、処分が警察のでっちあげだとか、交通事故を起こしたのは自分ではないなどの、処分に対する不服があれば、ここで主張します。なお、正当な理由なく、この聴取の期日に処分対象者が出頭しない場合には、行政庁は、この意見聴取をしなくても、免許停止などの処分をすることができるとされています。

異議申し立てについて

なお、免許の停止、取り消しの処分については、処分を行った公安委員会に、行政不服審査法に基づく異議申し立てをすることができます。この異議申し立ては、処分を知った日から60日以内に行わなくてはなりません。

ただし、この審査は処分を行った行政庁が行いますから、異議申し立てをしても、処分が取り消されることはほとんどないと考えられます。

取消訴訟について

免許の停止、取り消しの処分について、公安委員会に異議申し立てをしたけれども、異議申立てを棄却する決定があり、処分が覆らない場合は、さらに、裁判所に対して、裁決取消訴訟を提起することができます。

なお、異議申し立てを行わず、裁判所に直接、行政処分の取消訴訟を提起することもできます。なお、この取消訴訟は、処分を知った時または公安委員会の決定(裁決)を知った時から6ヶ月以内に提起しなくてはなりません。

ただし、現実には、弁護士に依頼して争った場合でも、交通事故に関する免許停止や取り消しの処分が覆ることは、ほとんどないそうです。

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